賃貸マンションから戸建て住宅へ転居したのを機会に、犬や猫などのペットを飼いたいと子供から提案を受けることは比較的良くあるようです。
集合住宅では管理規約などでペット飼育禁止になっていることも多く、ペットを飼うことを断念するのは当然の前提のように暗黙の了解が家族間で行き届いているものの、戸建て住宅などになると気兼ねなくペットを迎えることができると子供心ながらに理解していることもあるようです。
また動物に焦点を当てたテレビ番組を目にすることが多いことも影響していると推測してもさほど間違いではないともいえます。
しかし子供さんはそれまでは食事や衣服など全てが親御さんの主導のもとで生活していたのに、本当にペットを迎えても世話をできるのか心配を抱いているパパやママが多いのも尤もな話です。

他方で子供の小さい頃から飼育して成長期を過ごすことには、心や体の成長の上でいい影響を期待できるとの声もあります。
親御さんから見るとさらに世話をやく存在を迎えることにも映るペット飼育、そのような手間がかかることを考慮してもなお何らかのメリットを享受できるというのは本当なのでしょうか。
ペットの子供に対する影響にはどのようなものがあるというのか考えて参りましょう。

犬にせよ猫にせよペットを飼うと、人間が世話や配慮を積極的に行わない限り、生命を維持できないのです。
生物である以上食事をすることができなければ餓死してしまいます。
生物である以上、時には体調を崩してしまうこともあるでしょう。
また健康管理やストレスを溜め込まないために運動が必要になることもあります。

子供では想定することも少ないように、排泄物の管理も誰かが担わない限り、不潔で不愉快になることもペットの飼育を通じて初めて気付くことにもなる訳です。
つまり食事も運動も排泄物の処理など、ペットを飼うと言うことは生命を預かるということの本質に否応なく直面することになることを意味しています。
しかもこのような負担はペットが生きている限り不断に継続することになります。
途中で投げ出すことは許されないタスクを持つことを意味しています。
これは家庭ではもちろん学校などで生活していても経験することの稀有な体験です。

生命を持ちながらも、人間とは異なり言葉も通じず、言語的コミュニケーションをとることができないので、飼い主は常に一歩先にたって犬や猫のために配慮を見せなければなりません。
その点に勉強や子育ての中では伝えることもできない事実をお子さんに経験させることができる訳です。

ペットのお世話で責任感を育む

このようにペットを家庭に迎えて飼育することには、子供が普通の日常生活を過ごすだけでは身につけることのできない経験をつむことができるメリットがあることは了解いただけたことでしょう。
それでは具体的に犬や猫などをはじめとしたペットを飼育することには具体的にどのようなメリットを期待することができるのでしょうか。

まずペットを子供さんが飼うということは親御さんに食事も排泄物の管理や健康管理などペットの生命全般にわたって自分が主導権をとって振舞わなければならないことを必然的に体全身で了解することにつながります。
「自分がやらないとこの子は生きていくことができない」という当たり前の事実を知ることになるので責任感を身に着けさせることができます。
普段の食事や散歩や遊んであげることなどのお世話をする時には動物の微妙な変化にも関心が自ずと引かれることになるので、思いやりを自然に身につけさせることにもなるでしょう。

ただここで注意するべきなのは、すべてを子供任せにすることにも問題があります。
親御さんも含めた家族全体が世話を行い責任感感ある行動をとることでさらに責任感を持つことの意味を体験を通じて実感することができる訳です。
例えば学校のスケジュールの都合で散歩の時間に在宅することができない可能性もあります。
そのような時は家族で都合のついた人が散歩に連れて行くことになるでしょう。
何気ないお世話一つをとっても他者の行動に影響を与えかねないことを学ぶことになるので、自然と思いやりも持つことになり友達などとの人間関係を良好にするためにも好影響を期待出来ます。

そしてペットは人間に比べれば短い寿命なので必ず別離の時が訪れます。
どれほど世話を焼いて食事や健康管理に配慮していても、いつかは生命を終えることを知らされることになります。
多世代にわたる大家族の形態はほとんど廃れてしまった今日において、たとえ家族や親類であっても生命の終末に立ち会う経験を持つ機会はほとんどありません。
この点、ペットを責任を持って最後の見取りまで預かるということは、ペットも生命ある存在と学ぶことで家族や友達など、他者もまたかけがえのない存在という事実を改めて認識させることにもなるでしょう。

このようにペットを飼育することには、限りある生命を持つ存在を常に責任感と思いやりをもって、最期の別離の瞬間にまで立ち会うことを意味しています。
このような貴重な経験をすることは子供さんの人間性や人格形成に好ましい影響を与えることを期待出来ます。